医薬翻訳者の洋書キッチン/ The Book Kitchen

翻訳者による洋書レビュー / Book review by a medical translator

理工系助教の頭の中!勉強のこと、翻訳者の未来についても少し。

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こんにちは、近隣図書館の洋書コーナーは完全にプライベートスペース、Aki です。

 

先日、友達とご飯に行きました。

2人とも愛知県出身で、実家が徒歩1分ぐらいで近所です。現在は2人とも東京暮らしです。

 

その彼が東京の有名な大学で理工系の助教をしています。

去年の年末に会ったのが中学以来で、今回大学祭きっかけで会うことになりました。

 

助教の仕事のこと、研究のこと、翻訳という仕事のことなど色々話しました。

 

小中と同じ学校で、高校から別々です。僕の高校は典型的なバカ校で、彼は有名進学校です。

 

彼は3人兄弟なんですが、弟は東大です。

知らんかった!

 

 

助教の仕事

 

 

  • [授業関連] 特に生徒の提出物の添削が大変って言っていました。院生のレポート(論文)の添削は時間がかかるらしいです。用語の統一とか、細かく直すのは本当大変だそうです。

 

  • [研究] 面白いのは、研究テーマを新しく決め、その初期段階が面白いそうです。色々頭の中で想像して、自由にどういう物を作ろうかクリエイティブな時間が一番楽しいと言っていました。専門分野以外が関わる時(今回は脳神経)などは、本などでインプットしてる時も楽しいそうです。時間がたち、研究が具体的になるにつれ、苦労が多くなるそうです。

 

研究内容

 

あまり細かくは語れませんが(実力的に)、複数の研究を並行して行っています。

1つは、材質表面の衝撃、傷、強度などに関する効率的な計算方法などの研究(多分)。こちらは長年行っているみたいです。ディープラーニングの応用もしています。

 

最近始めた研究があり、それは「目が見えない人にモノを見させる研究」だそうです。

 

テーマは触感、Sensory Substitution。

 

目、鼻、耳の感覚の代用として皮膚を利用するという研究。

参考に、David Eagleman という人の動画を YouTube で教えてもらいました。


David Eagleman: "Can We Create New Senses for Humans?" | Talks at Google

 

勉強

 

今は新しい研究のため、脳神経学の勉強もしており、様々なインプットの最中だとか。どうやってインプットしているのか、教えてくれました:

  1. 本を読む。
  2. 本に要点などを書き込む。(図書館で借りることも多いそうで、その時はわざわざ本をコピーするそうです。)
  3. 本の要旨をまとめる。

ポイントはアウトプットを行うということ、だそうです。時間はかかる方法だが、知識がしっかり身に付き、理解が深まる、とのこと。

 

自分とは完全に真逆の方法です。自分は基本:

  1. 本をなるべく早く読む。
  2. それを何回も繰り返す。

です。ポイントは何回も繰り返していれば自然に頭に入る、というものです。一文字一文字目で追うことをしなくても、3週目ぐらいから以前気付かなかった点も頭にしっかりと入ってきます。

 

とは言いつつ、どっちが優れているという話ではないと思います。

速読対遅読、精読対乱読なんてものはなく、自分がどっちに向いているか、だと思います。

彼も、基本は書き込みながらをメインだけれども、速読をしないわけではないし、自分も、以前紹介した AMWA のテキストは書き込みでぐちゃぐちゃです。

なぜ書き込もうと思ったのかというと、「なんとなく本が大きかったから」だと思います。

 

その時その時でやる気の出る方法が一番だと思います

 

英語

 

産業翻訳では論文の翻訳もあります。

 

彼の大学でも翻訳会社にお願いしています。ただ、一から頼むではなく、英語で書き上げてからネイティブチェックのみ依頼してるそうです。料金節約のためと言っていました。

一度論文を翻訳会社を通さず、そのまま提出したらしいのですが、審査員から「英語の質が悪い」とのことで返されたそうです。

 

これまで英語で100本以上論文を書いている同じ研究室の教授でも、翻訳会社へのチェック依頼は怠ることはないそうです。

 

英語に関する友達の悩みを聞きました:

  • 冠詞が分からない(of の前後など)
  • 英語で情報収集する時など、読み始めるまでエネルギーが必要

だそうです。

 

翻訳

 

彼はディープラーニングにも詳しいので AI が近い将来どう生活を変えていくか話しました。

 

まず、自分達が子供だった頃(20年程前)と現在では「近い将来」の定義が全然違うというところからです。

昔は「近い将来」が40年、50年後ぐらいだったのが、恐らく今では20年、10年、もしかしたら5年後ぐらいに変わってきています。

 

翻訳に関してですが、僕も彼も将来的には産業翻訳は「近い将来には今のカタチをとどめてない」という意見で一致しました。

 

彼は20年後くらいかなぁ、と言っていた気がしますが、自分はひょっとしたら5年以内もありえることだと感じています。

 

これは翻訳会社に勤めていた頃の経験からで、その会社は、AI による翻訳の開発に本気で取り組んでいました。

 

以前、囲碁がコンピューターに負けたことが話題になりました。自分は別のボードゲームをやっていたため、その衝撃を今でも覚えています。チェス、将棋にコンピューターが勝つのとはわけが違います。20年ぐらい先のことだと思っていました。

 

自分は、他の人に翻訳業界(少なくとも医薬を含めた産業翻訳)へのフリーランスとしての新規参入は勧めることは絶対にありません。それは上に書いた理由があるためです。

 

人生相談

 

もし本当に5年で翻訳者として稼げなくなったら自分はどうしようもありません。

40歳にも達していません。

 

友達が色々ヒントをくれました:

  • 大学研究者でも翻訳者程論文を読む人間はいない(時間がない)
  • 英語が得意

など(実際はもう少し細かく)、自分のことを分析をしてくれました。

そこで、こういう仕事に携われる、またはこういった新しい仕事を生み出せるのでは、ということを教えてくれました。

今からでもコツコツとやっていれば何かにつながる、と。

 

そば食べて、お茶して

 

2人ともお酒を飲まないので、食事の後はカフェでドリンク飲みながらずっと話していました。

 

個人的には、将来どういう道があるのか、少し視界が開けたような気がしてかなり有意義で楽しい時間が過ごせました。彼の研究にも興味があるので、自分でも色々調べてみようと考えています。

 

次に会うのは年末になるでしょう。

ちなみに去年、彼が

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ウチに持ってきたミニスーパーファミコンでゲームしてました。