医薬翻訳者の洋書キッチン/ The Book Kitchen

翻訳者による洋書レビュー / Book review by a medical translator

義足・義手・義口?/ Neural Speech Prosthesis

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こんにちは、私が書きます。

 

言葉の障害

 

脳卒中、脳の損傷、パーキンソン病多発性硬化症筋萎縮性側索硬化症などが原因で「言葉を発することができなくなる」という症状が現れることがあります。 

 

そのような人達をサポートする技術が今回、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)から発表されました。

 

現在、筋肉やからの電気信号により、義肢(義手・義足・義指)を動かす研究が世界的に非常に進んでいます。

 

UCSF の研究チームが今回発表した技術も同じく脳の働きを利用します。

 

ヴァーチャル声道

 

ざくざくっと分かりやすく説明します。

 

脳には言語中枢という場所があります。

言語中枢は唇、顎、舌、喉頭などの運動に関与しています。

 

研究の手順は以下の通り:

 

  1. 電極を付けた状態で被験者に数百個の文章を読んでもらいます。
  2. 録音した声を元に、声道の動き(声帯を閉じる、唇を閉じる、舌先を口蓋に当てるなど)をヴァーチャルで作成します。
  3. 個別の被験者の脳波によって、その人のヴァーチャル声道が動くようリンクさせる(声が出る!)。

 

あまりにも簡単に書きましたが、ニューラルネットワークの技術が絡んでいます

 

  • 言葉を発している間の脳の活動パターンをヴァーチャル声道の動きへと解読
  • ヴァーチャル声道から、被験者のおおよその声へと変換

 

まとめ

 

ソースによると、精度の面ではまだ改善が必要なようです。

 

ちなみに、研究中には他の発見があったそうで:

  • 口を動かすだけでも、ヴァーチャル声道は反応した
  • 被験者のヴァーチャル声道が、他人の脳の活動にも反応した

 

などです。

 

自分の手や足を動かすことが出来なくなった人達が、脳を利用することによってロボット義肢を動かせるようになった。いつの日か、言語に障害のある人達が脳の働きによって再び喋れるようになってほしい — Josh Chartier (研究チームの一人)

 

www.ucsf.edu