日英翻訳を自由に語る【その2】~辞書のはなし
翻訳者をしていると、「翻訳者にとって辞書は実力のうち」というような言葉を聞きます。
英日翻訳者(英語から日本語に翻訳する翻訳者)が国語辞典を使うということはよく聞きます。英英辞典も常備していることでしょう。
では日英翻訳者はというと、同じです。皆さん様々な辞書を持っているようです。
そして分野ごとに揃える辞書はさらに増えることになります。
僕の専門分野である医薬系だと結構大変なことになりそうです。
他人事のように語っていますが、そうです。
僕は現在、お金を払って手に入れた辞書は一冊もありません。
医薬翻訳者になる前に医学系辞書を1,2冊購入しましたが、1か月も使用していません。
現在使用している辞書は以下の通り、無料オンライン辞書ばかりです。
- ライフサイエンス辞書
- ルミナス英和・和英辞典
- Merriam-Webster / Merriam-Webster's Learner's Dictionary(昔からのお気に入りです。Oxford でない理由は特にありません。)
- 自作エクセル辞書
例文検索として
を使用しています。
最後のイートモのみ、辞書ではありませんが医薬に特化した対訳集として購入し、現在も毎日使用しています。
辞書を増やさない理由ですが、答えはシンプルに
増えないからです。
現在使っている辞書で事足りてしまうため、新しい辞書を探すという機会がありません。
僕が英和辞典を使うのは可算・不可算と自動詞・他動詞を調べる時のみです。Merriam-Webster でも良いのですが、一目で分かるという点でルミナスを見ることが多いです。
以前、Kenkyusha Online Dictionary というリーダーズや新英和辞典など複数の辞書を一括して調べることのできる辞書サイトに年会費5000円ほどを払っていました。
ただ、可算・不可算の記載があるのがルミナスだけであったため、解約してしまいました。
例文、言葉の使い方を調べるために英和辞典を使うことはあまりありません。
不自然・ぎこちないものが非常に多いからです。 Merriam-Webster を使います。
Weblio は使い方に注意が必要と翻訳者の間では広く知られていますが、翻訳者レベルなら言葉の使い方の不自然さには気付くことができるので全く問題はありません。
ちなみに Ludwig は先月たまたま発見し、2年ぶりぐらいに僕の仕事道具の仲間入りを果たしました。
別分野だと状況はまるで異なるのかもしれません。
また、同じ分野だとしてもクライアントによって翻訳する文書の種類が大きく変わります。
たまたま僕が辞書を増やす環境にいないというだけなので、他の翻訳者と比較するものではありません。
ちなみになのですが、僕は Twitter は基本的に日本語で書くのですが、かなりの頻度でオンライン国語辞典を使っています。
職業病だと思うのですが、そこら辺に転がっている何気ない言葉でさえも調べなければ落ち着かないのです。
ということで辞書についてでした。
また次回です。